何かを終えたあとでも、片付いた感覚が定まらないまま残ることがある。作業自体は済んでいて、やり直す必要も見当たらない。
手を動かす工程は終わっている。確認も済んでいる。それでも、終わったという区切りだけが置かれない。
次のことに移っても、その前のことが完全には離れない。思い出そうとしているわけでもないのに、どこかに残っている。
忘れ物があるわけではない。判断を誤ったとも言えない。ただ、終点の感触だけが薄い。
その状態が続くと、終わったことと、これから始まることの境目が曖昧になる。区切った線が、はっきり引かれないままになる。
特別な出来事があったわけではない。負担が大きかったとも限らない。終えたはずのことが、状態として完全には閉じていないだけ。
そのまま、終わったはずのことが静かに残り続ける、という形になることも多い。
